一昔前に食品関係のCMで一躍、人気者となったといわれているウーパールーパー。
絶頂期の頃はゲームセンターの景品にもなったのだそうです。
両生類として、その一生を「幼体」のまま過ごすウーパールーパーは、ちょっと変わった生き物を育ててみたい方におすすめです。
飼い方が分からないといった方にも分かりやすく説明していきますね。
ウーパールーパーを知ったきっかけ
私がウーパールーパーを知ったきっかけは、ふらっと入ったペットショップの中で、ハッと何かしらの気配を感じ、振り返った時です。
色鮮やかな熱帯魚が並ぶ水槽の一番、端の方にオーソドックスな色目のピンク色のウーパールーパーがいました。
最初はどんな生き物なのか分からず、名札を読みました。
それがウーパールーパーだと分かった時、母が昔、CMで流行ったことがあるよ、と教えてくれました。
丸い頭の左右に三本のエラが伸びていて、ゆったりとした動き、何とも言えぬ表情をじっと見ているうちにウーパールーパーは興味深い存在になりました。
ウーパールーパーとの出会いについて
存在が気になっていたものの、何となく飼うまでに至らなかったウーパールーパーですが、ある日、里親募集をされていたことをきっかけに1匹のウーパールーパーをわが家に迎えることになりました。
インターネットで育て方を調べてみたところ、彼らは水槽ときれいな水があれば、まず大丈夫とのことでした。
ウーパールーパーは、夏の暑さに弱い生き物です。
ですから、夏場は水槽用の冷却ファンか、水槽クーラーが必要になるそうです。
しかし、わが家ではこまめな水替えと水質改善サプリメントを投入することによって、何とか耐えてもらっています。
水は井戸水を利用しているため、冷たく、水替えをした後のウーパールーパーは気持ちよさそうに水底を這っています。
たまに、ふよふよとエラを畳むようにして尻尾を左右に振りながら泳ぐ様を見ることがあります。
愛おしくてたまりません。
ウーパールーパー を育てる上で楽しみなこと
ウーパールーパーを育てている上で、とても楽しみなことはエサやりです。
ウーパールーパーは意外と食事の時間となると動きが俊敏になります。
生餌ですとメダカを与えている方が多いようですが、わが家では人工的なエサのみ与えています。
複数のメーカーの粒エサを与えることによって、その効果をウーパールーパーが感じてくれていると嬉しいなと思います。
ごくたまに冷凍アカムシを与えているのですが、その際は箸を用いています。
水に溶いた冷凍アカムシを箸でつまみ、ウーパールーパーの口元に近づけてやると、お腹を空かせたウーパールーパーはパクッと食らいつきます。
空腹であればあるほど食らいつきは激しく、数秒間、箸にかじりついていることもあります。
ウーパールーパーなりに懸命なのだなぁと感じ、微笑ましくなります。
ウーパールーパーの特性
普段、動きが少ないウーパールーパーですが、彼らは視力があまり良くありません。
目の色が黒い品種のウーパールーパーは、アルビノと呼ばれる体も目の色も白っぽいウーパールーパーと比べて多少は視力が良いようです。
そんな彼らはできることなら一つの水槽に1匹の飼育が良いのだそうです。
これは互いに、エラや尻尾、手足を食べてしまうといった事故を防ぐためでもあります。
わが家では原種に近いとされる、マーブルという品種のウーパールーパーを迎えました。
数か月後にはゴールデンという品種、ピンク色でおなじみのリューシスティックを迎え、大きめの水槽に同居させてみましたが、やはり尻尾を食べられたり、エラを食べられたりしました。
しかし、ウーパールーパーには再生能力があります。
同居していた彼らを別々の水槽に分け、こまめな水替えをし、栄養価の高いエサを与えていると、欠けていた尻尾は再生、エラも伸びていました。
毎日の観察を続け、まるで何事もなかったかのように、のっそり、のっそり水底を歩く姿を見ていると安心し、癒されます。
初めて卵から孵化させたウーパールーパーの魅力
里親になってウーパールーパーを育て始めて、およそ1年。
インターネットや関連書籍を見ていると、彼らは繁殖期になると200~300個の卵を生むということを知りました。
いつか卵から育ててみたい、そう思っているとウーパールーパーを育てている知人から、卵をもらうことができました。
悪戦苦闘の毎日でした。
孵化させてからが大変です。
水質が悪化するとメダカの稚魚のような生まれたてのウーパールーパーはすぐに死にます。
エサとなるブラインシュリンプが足りなくなると餓死してしまいます。
これらのことに気を付けながら、何とか、8匹のウーパールーパーを3センチほどに育て上げることができました。
大人になると平均で20センチ前後の大きさになるウーパールーパーを8匹も飼う余裕はないので、7匹を里親さんに飼育をお願いしました。
残りの1匹は前足を兄弟に食べられ、体全体が小さかったため、うちに残すことにしました。
その子の成長はそれからは早く、持ち前の再生能力で前足は完全復活、きれいに指先まで伸びていました。
エサは大人が食べる粒エサを細かくしたものを与えていましたが、いつの間にか、1粒ぺろりと食べるようになりました。
苦労して卵から育てている初めてのウーパールーパーです。可愛くてたまりません。
毎日の成長を見守ることが、今の私の楽しみであり、癒しです。
金魚やメダカを飼われたことのある方でしたら、その少し延長線上、多少ちがうところはありますが、水質管理とエサのやりすぎに気を付けていればウーパールーパーは飼いやすいと思います。
よくよく見れば愛嬌のある表情をしていますし、尻尾でバランスを取って立ったり、仁王立ちしたり、片足立ちをしたりと様々な曲芸まで見せてくれます。
ウーパールーパーが与えてくれる癒しの時間、これがあるからウーパールーパー観賞はやめられません。